町の公式見解(6)【令和3年7月6日公表】

清水健太郎議員が6月24日にSNSで発信している『くしもとこども園10億円のとんでもない理由が発覚しました。』の内容につきまして、町としての公式見解をご報告いたします。

串本町長 田嶋 勝正

清水議員:『建物の面積を大きく見積もっている』に対して

上野山こども園は定数160名で1,486平方メートルに対し、くしもとこども園は定数150名に対し2,000平方メートルで見積もっている、と書かれていますが、この時点(平成31年11月)ではまだ基本設計に入る前の概算費用の算出段階ですので、くしもとこども園は180名で2,000平方メートル(延床面積)で見積もっています。(あくまでも概算費用を出すための定数、面積の見込みです。)

また、上野山こども園の建設時の定数は150名で延床面積は1522.48平方メートルです。

清水議員:『木造なのに鉄筋コンクリート造の単価を使って見積もっている。』に対して

概算費用を出した段階ではまだどのような構造体とするかは決まっておりません。そのためこの時点で1番高い鉄筋コンクリート造の金額を採用して算出しています。

けっして清水議員が言うように故意に高く見積もって値段を吊り上げてはいません。
 

※概算費用の算出方法・建設予算についての町の考え方は以下のとおりです。

概算工事費用の算出方法について

串本町が実施する事業については、予算の確保のために事業の執行計画を作成する必要があります。そのため、今回のくしもとこども園新園舎建設にあたり平成30年度に概算工事費の算出を行っています。当時の人口統計の数字を基に定数を180名と仮定し、その定数に基づき概略図面を作成し建築面積を2,000平方メートルとした概算工事費の算出を行っています。

この段階ではまだ木造とするか鉄筋コンクリート造等とするか決まっておらず、令和3年度から建設に取りかかる予定であったため、今後の物価の上昇等で平均的な建築単価が上がることも考慮し、一番高い鉄筋コンクリート造の建築単価で概算費用を出しました。

この時点の鉄筋コンクリートの建築単価424,860円に建築面積2,000平方メートルを乗じ、外構工事費および浄化槽工事等の付属設備費を加算し、約10億300万円という概算工事費としています。

故意に間違った計算で高く見積もった訳ではありません。

新園舎の構造決定について

こども園の建設にあたっては、令和元年度から基本設計を行っていく中で、役場関係職員、こども園関係者および設計業者により、幾度となく協議を行ってきました。

建築構造については、基本設計業務の中で比較検討を行い、木造が1番安価とされました。また、木の優しさや温もりといった素材の使用を要望する声や、紀州材の使用による地域振興の促進が図られることもあり、総合的に検討した中木造構造と決定しました。

新園舎の建設予算について

新園舎の構造決定と並行して、定数、延床面積を決めていきました。
最終的に定数は150名、延床面積は1,842.59平方メートルと決定しました。
定数の確定の経緯については、『串本町議会の委員会』や、『子ども・子育て会議』において報告を行っています。

定数を150名と決めた上で、こども園として必要な部屋、また150名を受け入れることのできる基準に応じた広さ、必要な設備等を、関係機関が何度も協議を重ねながら設計を進めてきました。そして建設事業費は10億6,810万円となりました。
これはあくまでも予算計上された額ですので、これから入札を行い、事業費が確定します。

こども園建設に対しては、緊急防災・減災事業債という起債が活用でき、(70%が交付税措置されます。)また紀州材を使うことにより、県からの補助金や基金も活用できます。

入札後の額によって金額が変わりますが、10億6,810万円とした場合、町の負担は約3億円程度となります。

串本町の考え方

くしもとこども園の高台への移転目的は将来起こりうる地震・津波から子ども達の命を守るためです。

地震が起きて津波警報が出されれば、子ども達は当然こども園で長時間避難、待機することとなりますので、避難所としての役割を兼ねた設備を整えています。
さらに、潮風の強い場所であるので、子ども達の安全を確保するための設計、設備の充実、耐久性に優れた資材を活用します。
また子ども達が長い園生活を楽しく過ごせるような設備等も備え、木造の園舎には紀州材を使います。

こういった理由から、平均建築単価で割り出した額を上回っていますが、この施設は町の子ども達が1日の大半を過ごす施設であります。そして、その子ども達を産み、働きながら育て、町に税金を納めてこの町を支えてくれている保護者の方々が、安心して働けるよう支援する役割も担っています。

よって、この面積、設備はけっしてむだなものではありません。