○串本町水道水源保護条例

平成17年9月21日

条例第202号

(目的)

第1条 この条例は、水道法(昭和32年法律第177号。以下「法」という。)第2条第1項の規定に基づき、本町の水道水質の汚濁を防止し、その水源を保護し、住民の生命及び健康を守ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 水源 法第3条第8項に規定する取水施設及び浄水施設に係る地域で、水道の原水の取り入れに係る区域をいう。

(2) 水源保護地域 本町の水道に係る水源及びその上流地域で、町長が指定する区域をいう。

(3) 水源の枯渇 取水施設の水位を著しく低下させることをいう。

(4) 対象事業 別表に掲げる事業をいう。

(5) 規制対象事業場 対象事業を行う工場その他の事業場のうち、水道に係る水質を汚濁させ、若しくは水源の枯渇をもたらし、又はそれらのおそれのある工場その他の事業場で、第12条第3項の規定により規制対象事業場と認定されたものをいう。

(責務)

第3条 この条例の目的を達成するため、本町は、水源の保護に係る施策を実施し、次に掲げる該当者は、それぞれに定められた責務を負う。

(1) 町長 町長は、水源の水質の保全に努めなければならない。

(2) 住民等 何人も本町が実施する水源の保護に係る施策に協力しなければならない。

(審議会の設置)

第4条 水源の保護を図り、水道事業を円滑に推進するため、串本町水道水源保護審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、本町の水道に係る水源の保護に関する重要な事項について、調査し、及び審議する。

(組織)

第5条 審議会は、委員10人以内をもって組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから町長が委嘱し、又は任命する。

(1) 町議会の議員

(2) 識見を有する者

(3) 関係行政機関の職員

(4) 前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認めた者

(委員の任期)

第6条 委員の任期は、2年とし、再選を妨げない。ただし、補欠による委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第7条 審議会に会長及び副会長1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議等)

第8条 審議会の会議は、町長の求めに応じ会長が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審議会の庶務は、水道課において処理する。

5 前3条に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が会議に諮って定める。

(委員の費用弁償)

第9条 委員の費用弁償の額は、串本町職員等の旅費及び費用弁償に関する条例(平成17年串本町条例第41号)の3役の職務にある者の旅費相当額とする。

(水源保護地域の指定等)

第10条 町長は、水源の水量及び水質を保全するため水源保護地域を指定することができる。

2 町長が水源保護地域を指定しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

3 町長が第1項の規定により、水源保護地域の指定をしたときは、その旨を直ちに告示するものとする。

4 前2項の規定は、水源保護地域を変更し、又は解除しようとする場合についても準用する。

(規制対象事業場の設置の禁止)

第11条 前条の規定により、水源保護地域に指定された区域において、何人も規制対象事業場を設置してはならない。

(事前協議及び措置等)

第12条 水源保護地域内において対象事業を行おうとする者(以下「事業者」という。)は、あらかじめ町長に協議するとともに、関係地域の住民及び利害関係人等に対し、当該対象事業の計画及び内容を周知させるため、説明会の開催その他の措置を採らなければならない。ただし、国、県、町等が行う公共事業については、この限りでない。

2 町長は、事業者が前項の規定による協議をせず、又は同項の措置を採らず、若しくは採る見込みがないと認めるときは、当該事業者に対し期限を定めて当該協議をし、又は当該措置を採るよう勧告するものとする。

3 町長は、第1項の規定による協議の申出があった場合において、審議会の意見を聴き、規制対象事業場と認定したときは、事業者に対し、その旨を速やかに通知するものとする。

4 前3項の規定は、対象事業を行う施設の構造若しくは規模又は事業の範囲を変更しようとするものについて準用する。

(一時停止命令)

第13条 町長は、事業者が前条第2項の規定による勧告に従わないときは、当該事業者に対し、期限を定めて対象事業を行う施設の建設及び対象事業の実施の一時停止を命ずることができる。

(報告及び検査)

第14条 町長は、水源保護地域内において、対象事業を行うものに対し、排水処理施設等の状況、汚水等の処理方法を必要に応じ報告を求め、又はその職員若しくは町長の指定する者をして施設に立ち入り、公共用水域に排出される汚水及び廃液の検査をさせることができる。

2 前項により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(改善命令)

第15条 町長は、水源保護地域内の対象事業場の排水口において、排水基準に適合しない排出水を排出しているときは、その者に対し期限を定めて施設の構造、使用方法、汚水等の処理方法の改善を命じ、その施設の使用又は排出水の一時停止を命ずることができる。

(指導)

第16条 町長は、水源保護地域内において、対象事業以外の工場その他施設が排出する排水についても、公共用水域に汚水又は廃液を排出する者に対し、必要な指導、助言及び改善勧告をすることができる。

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(罰則)

第18条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

(1) 第11条の規定に違反した者

(2) 第13条の規定による命令に違反した者

(両罰規定)

第19条 法人の代表者又は法人若しくは個人の代理人その他の従業者が、その法人又は個人の業務に関し、前条の違反行為をした場合においては、その行為者を罰するほか、その法人又は個人に対して同条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の串本町水道水源保護条例(平成11年串本町条例第23号。次項において「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 施行日以降最初に委嘱される委員の任期は、第6条の規定にかかわらず、平成19年3月31日までとする。

別表(第2条関係)

対象事業

1 産業廃棄物処理施設を設置する事業(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第7条第1項に規定するものをいう。)

2 その他の水質を汚濁させ、又は水源の枯渇をもたらすおそれのある事業(別に規則で定める。)

串本町水道水源保護条例

平成17年9月21日 条例第202号

(平成17年9月21日施行)