○串本町意思疎通支援事業実施要綱
平成29年3月31日
告示第30号
(目的)
第1条 この告示は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第22条第1項及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第77条第1項第6号の規定に基づき、聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等(以下「聴覚障害者等」という。)とその他の者との意思疎通を支援するために手話通訳又は要約筆記を通して意思疎通支援を行う者(以下「意思訴疎通支援者」という。)を派遣し、円滑なコミュニケーションを図ることにより、自立と社会参加の促進に資することを目的とする。
(事業の内容等)
第2条 前条の目的を達成するため、串本町意思疎通支援事業(以下「事業」という。)として、次に掲げる業務を実施する。
(1) 意思疎通支援者(第6条第3項の規定により串本町意思疎通支援者登録台帳に登録された者をいう。以下同じ。)の登録に関する業務
(2) 意思疎通支援者のうち、手話通訳者の派遣に関する業務
(3) 意思疎通支援者のうち、要約筆記者の派遣に関する業務
(4) 前2号を行う連絡調整業務等担当者の設置
(5) 前各号に掲げるもののほか、事業の実施に必要と認められる業務
(実施主体)
第3条 この事業の実施主体は、串本町とする。
(町の責務)
第4条 町長は、この事業に従事する意思疎通支援者の健康と安全の確保に努めなければならない。
(事業の委託、監督等)
第5条 町長は、第2条に規定する業務を町長が適当と認めた法人(以下「受託者」という。)に全部又は一部を委託することができる。
2 町長は、前項の規定により業務を委託したときは、業務の適正な遂行を図るため、受託者に対して常に状況に応じた監督を行い、適正な履行を確保するものとする。
3 受託者は、前項の規定による町長の監督を受け、町長から役務改善命令等がなされた場合には、その補正等の措置をしなければならない。
(意思疎通支援者の登録)
第6条 串本町意思疎通支援者としての登録を希望する者は、串本町意思疎通支援者登録申請書(別記第1号様式)に、次に掲げるいずれかの資格等を証する書類を添付して、町長に申請するものとする。
(1) 手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令(平成21年3月31日厚生労働省令第96号)に基づく手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の合格者
(2) 全国手話通訳者統一試験の合格者
(3) 全国統一要約筆記者認定試験の合格者
(4) その他町長が適当と認める者
(意思疎通支援者証)
第7条 町長は、意思疎通支援者に対し、串本町意思疎通支援者証(別記第4号様式。以下「意思疎通支援者証」という。)を交付するものとする。
2 意思疎通支援者証の有効期間は、3年以内とする。
3 意思疎通支援者は、手話通訳業務又は要約筆記業務(以下「意思疎通支援業務」という。)を行うときは、常に意思疎通支援者証を携帯し、提示を求められた場合は、これを提示しなければならない。
4 意思疎通支援者は、意思疎通支援者証を紛失等したときは、速やかに串本町意思疎通支援者証紛失等届兼再交付申請書(別記第5号様式)を、町長に提出しなければならない。
5 意思疎通支援者は、登録事項に変更があるときは、速やかに串本町意思疎通支援者登録事項変更届(別記第6号様式)を、町長に提出しなければならない。
6 意思疎通支援者は、登録の取消しの決定を受けたとき又は登録を辞退したときは、意思疎通支援者証を町長に返還しなければならない。
(意思疎通支援者の責務)
第8条 意思疎通支援者は、意思疎通支援業務の遂行に当たっては、次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
(1) 事業を通じて知り得た情報を本人の同意を得ないで第三者に提供してはならないこと。
(2) 手話通訳又は要約筆記の技術、聴覚障害者等に関する知識の向上に努めること。
2 前項第1号の規定は、意思疎通支援者を辞した後にも適用する。
(派遣の対象者等)
第9条 意思疎通支援者の派遣の対象となる者は、町内に居住する聴覚障害者等とする。
(1) 他の市区町村長から当該市区町村の聴覚障害者等を対象者として意思疎通支援者の派遣依頼があるとき。
(2) 町内において、緊急に意思疎通支援者の派遣を必要とする町外に居住する聴覚障害者等があるとき。
(派遣の内容等)
第10条 意思疎通支援者の派遣の対象となる内容は、聴覚障害者等の日常生活及び社会生活を営むために必要なものとする。ただし、次の各号に掲げる事項は除くものとする。
(1) 営利を目的としている内容
(2) 政治活動又は宗教活動に関する内容
(3) 町長が社会通念上派遣することが好ましくないと認める内容
(4) 町長が公共の福祉に反すると認める内容
(派遣の区域及び時間)
第11条 意思疎通支援者の派遣の対象となる区域は、原則として、和歌山県内、三重県南牟婁郡内及び熊野市内とする。
3 意思疎通支援者の派遣の対象となる時間は、原則、午前8時から午後10時までとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由のある場合はこの限りではない。
(派遣の申請)
第12条 意思疎通支援者の派遣を申請することができるもの(以下「申請者」という。)は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 第9条に規定する聴覚障害者等(以下この項において同じ。)及びその家族等
(2) 聴覚障害者等で構成する団体
(3) 聴覚障害者等に対して意思疎通の手段として手話通訳又は要約筆記を必要とする個人若しくは団体
(4) 不特定多数の者が参加する催しを開催するときに、聴覚障害者等が参加することを見込む公共機関及び団体等
(5) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認めるもの
2 申請者は、意思疎通支援者の派遣を希望する日の3日(串本町の休日を定める条例(平成17年串本町条例第2号)に規定する休日を除く。)前までに、串本町意思疎通支援者派遣申請書(別記第7号様式。以下「派遣申請書」という。)により、町長に申請するものとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由のある場合は、この限りでない。
3 前項の申請の受付時間は、事故や急病等緊急又はやむを得ない事由のある場合を除き、午前9時から午後5時までとする。
(派遣の決定)
第13条 町長は、派遣申請書を受理したときは、内容を審査の上、意思疎通支援者の派遣の適否を決定するものとする。
2 町長は、派遣が適当と決定したときは、派遣が可能な意思疎通支援者を選考の上、意思疎通支援者に依頼するものとする。
(申請者の費用負担)
第14条 意思疎通支援者の派遣に要する申請者の費用負担は、第12条第1項第1号及び第2号に定めるものは無料とし、その他のものは有料とする。ただし、意思疎通支援業務を行う際に必要となる意思疎通支援者に係る入場料、参加費その他これらに類する費用は申請者が負担しなければならない。
(派遣の停止等)
第15条 町長は、この告示に反し、申請者が虚偽の申請により意思疎通支援者の派遣の決定を受けたときは、意思疎通支援者の派遣を停止し、意思疎通支援者の派遣に係る費用の全部若しくは一部の負担を命ずることができる。
(報告)
第16条 意思疎通支援者は、意思疎通支援業務の終了後、速やかに串本町意思疎通支援者派遣業務報告書(別記第9号様式。以下「業務報告書」という。)を作成し、毎月10日までに前月分を町長に提出しなければならない。
(派遣の報酬等)
第17条 町長は、業務報告書により適正に意思疎通支援業務が行われたことを確認したときは、別表に定める基準により報酬等を意思疎通支援者に支払うものとする。ただし、申請者が第12条第1項第1号及び第2号に定めるもの以外の場合は、申請者が別表に定める基準により報酬等を意思疎通支援者に支払うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、町長は、第11条第2項ただし書の規定により意思疎通支援者を派遣したときは、その費用を負担するものとする。
(意思疎通支援者の技術及び知識の向上)
第18条 町長は、意思疎通支援者の技術及び知識の向上に資する研修の開催及び都道府県等の開催する研修への参加等に配慮しなければならない。
(運営委員会)
第19条 町長は、意思疎通支援事業運営委員会(以下「運営委員会」という。)を設置し、事業の効率的な運営を図ることができるものとする。
2 運営委員会は、次の各号に掲げる者によって構成するものとする。
(1) 聴覚障害者団体から選出された者又は聴覚障害者等
(2) 意思疎通支援者
(3) 前2号に掲げるもののほか、町長が必要と認める者
(その他)
第20条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この告示は、平成29年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この告示の施行の際、串本町コミュニケーション支援事業実施要綱(平成18年串本町告示第99号)第4条に規定する様式で、現に残存するものは、当分の間、なお使用する事ができる。
(串本町コミュニケーション支援事業実施要綱の廃止)
3 串本町コミュニケーション支援事業実施要綱は、廃止する。
附則(令和2年6月15日告示第68号)
この告示は、公布の日から施行し、令和2年5月18日から適用する。
附則(令和3年4月28日告示第43号)
この告示は、公布の日から施行し、令和3年4月1日から適用する。
別表(第17条関係)
区分 | 基準 | 金額 | ||
報酬 | 申請者との待合わせ時間から意思疎通支援業務終了時間までを基準時間とする。 | 1時間まで (報酬単価) | 手話奉仕員 | 1,250円 |
手話通訳士 手話通訳者 | 2,500円 | |||
要約筆記奉仕員 (手書き) | 1,250円 | |||
要約筆記奉仕員 (パソコン) | 1,450円 | |||
要約筆記者 (手書き) | 2,500円 | |||
要約筆記者 (パソコン) | 2,700円 | |||
1時間を超えた場合、30分毎 | 手話奉仕員 | 625円 | ||
手話通訳士 手話通訳者 | 1,250円 | |||
要約筆記奉仕員 (手書き) | 625円 | |||
要約筆記奉仕員 (パソコン) | 725円 | |||
要約筆記者 (手書き) | 1,250円 | |||
要約筆記者 (パソコン) | 1,350円 | |||
手当 | 意思疎通支援業務の時間が午後10時から翌日の午前5時までの間の場合、次のとおり夜間手当を支給する。 | 報酬に100分の50を乗じた額 | ||
自宅から意思疎通支援業務の実施場所までの移動時間が往復2時間以上の場合、次のとおり遠距離手当を支給する。 | 報酬単価に100分の50を乗じた額に移動時間数を乗じた額 | |||
交通費 | 自宅から意思疎通支援業務の実施場所までの往復に要した経費 | 公共交通機関 | 実費 | |
自家用車 | 1kmにつき37円 | |||
夜間及び緊急時でタクシーの利用を認められた場合 | タクシー料金 | |||
その他経費 | 通行料、駐車場使用料などの活動に要した経費は、実費を支給する。 | 実費 |
※公共交通機関又はタクシーを使用した場合は、別記第9号様式提出時に内容の確認できる明細書を添付すること。また、活動に要した経費については、領収書を添付すること。