○熊野古道大辺路新田平見、富山平見、飛渡谷及び清水峠周辺の文化的景観の保護に関する条例

平成27年12月15日

条例第52号

(目的)

第1条 この条例は、本町における熊野古道大辺路新田平見、富山平見、飛渡谷及び清水峠周辺(以下「熊野古道大辺路」という。)の文化的景観の保護について必要な事項を定めることにより、将来にわたり貴重な文化的景観を後世に継承していくことを目的とする。

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第2条 この条例の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、国土の保全その他の公益との調整に留意するものとする。

(町の責務)

第3条 町は、熊野古道大辺路の文化的景観の保護及び整備に関する総合的施策を実施するとともに、文化的景観に対する町民意識の高揚に努めるものとする。

(町民の責務)

第4条 町民は、熊野古道大辺路の文化的景観の保護のため町が実施する施策に協力しなければならない。

(指定)

第5条 町長は、熊野古道大辺路の文化的景観の保護を図るために必要な区域を文化的景観保護地区(以下「保護地区」という。)として指定することができる。

2 町長は、前項の保護地区を指定しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところによりその旨を公告し、その案を当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない。

3 前項の規定により公告があったときは、当該区域に係る住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について、町長に意見書を提出することができる。

4 町長は、保護地区を指定するときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

5 保護地区の指定は、前項の告示によりその効力を生ずる。

6 保護地区の拡張については、第2項から前項までの規定を、その区域の縮小及び解除については、前2項の規定をそれぞれ準用する。

(行為の制限)

第6条 保護地区内においては、次の各号のいずれかに該当する行為で規則で定める規模を超える行為をしようとする者は、あらかじめ町長の許可を受けなければならない。なお、許可を受けた事項を変更しようとする場合についても、同様とする。

(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。

(2) 建築物その他の工作物の色彩を変更すること。

(3) 土地の形状を変更すること。

(4) 土石を採取し、又は鉱物を掘採すること。

(5) 水面を埋め立て、又は干拓すること。

(6) 立木竹を伐採すること。

(7) 広告物その他これに類するものを掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。

2 町長は、前項各号に掲げる行為で規則で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしないものとする。

3 保護地区が指定され、又はその区域が拡張された際、当該保護地区内において、第1項各号のいずれかに掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して1年間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。

4 町長は、第1項の規定により許可する場合、保護地区の文化的景観を保護するために必要な限度において、条件を付すことができる。

(国等に関する特例)

第7条 国の機関又は地方公共団体が行う行為については、前条第1項の規定による許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、その行為を行おうとするときは、あらかじめ町長と協議しなければならない。

(許可等を要しない行為)

第8条 次の各号のいずれかに該当する場合には、第6条第1項の規定による許可に係る申請又は前条の規定による協議を要しないものとする。

(1) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第43条若しくは第125条、和歌山県文化財保護条例(昭和31年和歌山県条例第40号)第12条又は串本町文化財保護条例(平成17年串本町条例第92号)第5条第5号の規定により現状変更の許可を必要とされる行為であって、文化庁、和歌山県教育委員会又は串本町教育委員会の許可を得たもの

(2) 文化財保護法第43条の2若しくは第127条又は和歌山県文化財保護条例第11条の規定により行う修理又は復旧

(3) 文化財保護法第168条第1項第1号又は同条第2項の規定により、文化庁の同意を必要とする国又は国の機関が行う行為であって、当該同意を得たもの

(4) 文化庁又は和歌山県教育委員会の所管する補助金の交付を受けて実施する文化財の保存に関する事業

(5) 森林法(昭和26年法律第249号)において定める森林経営計画の認定を受けた立木竹の伐採であって、当該森林経営計画の計画内容に基づくもの

(6) 通常の管理行為又はその他軽易な行為であって、規則で定めるもの

(7) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

(8) 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

(中止命令等)

第9条 町長は、保護地区における文化的景観の保護のために必要があると認めるときは、第6条第1項の規定に違反し、又は同条第4項の規定により許可に付せられた条件に違反した者に対して、その行為の中止を命じ、又は相当の期間を定めて原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命じることができる。

(立入調査等)

第10条 町長は、保護地区における文化的景観の保護のため必要な限度において、第6条第1項の規定による許可を受けた者又は前条の規定により必要な措置をとるべき旨を命ぜられた者に対し、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求め、又は町長が指定した職員に保護地区内の土地若しくは建築物を立入調査させることができる。

2 前項の規定により、立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(公表)

第11条 町長は、第9条の規定による行為の中止命令、原状回復命令又は原状回復に代わるべき必要な措置命令を受けた者が、正当な理由がなく当該命令に従わないときは、その旨及び当該命令の内容を公表することができる。

(その他)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

熊野古道大辺路新田平見、富山平見、飛渡谷及び清水峠周辺の文化的景観の保護に関する条例

平成27年12月15日 条例第52号

(平成27年12月15日施行)