■トレス市(オーストラリア)

国名:オーストラリア
州名:クイーンズランド州
人口:3,700人(2010年)
面積:木曜島  3.5平方キロメートル(紀伊大島の約3分の1)
   ホーン島 53平方キロメートル
   プリンス・オブ・ウェールズ島 203平方キロメートル  ほか
友好都市提携年月日:2011年12月7日

トレス市ホームページ

□地勢・沿革
トレス市はオーストラリア北東部ヨーク岬半島とパプア・ニューギニア間に位置するトレス海峡に散在する島嶼群7島及びヨーク岬半島先端部2地域を統括する行政区を管轄する地方自治体です。行政区域のほとんどがトレス海峡に散在する離島で、ロブスター漁などの漁業が主な産業となっていますが、豪州政府またはクイーンズランド州政府からの福祉的助成金が地域の収入の大半を占めています。気候は熱帯性気候で、年間平均気温は約27度。同市の行政本部が置かれる木曜島には教育・医療・観光等の施設が集中しており、島嶼群の中心的役割を果たしています。


トレス市の市街地


海岸沿いに設置された白蝶貝のモニュメント

□日本人渡航の歴史
明治期以降、オーストラリアとニューギニア島に挟まれた海域において高級ボタンや装飾品の材料となる白蝶貝の採取に従事した日本人は約7,000人で、和歌山県出身者がその8割を占めたと言われています。紀南地方での採貝関係の渡航熱が高まったのは、明治17年に渡航した田並出身の海老名虎吉氏が地元の寺の建築費の半分を寄付、また潮岬の瓜田甚衛門氏、平松五郎兵衛氏が、氏神の境内に大きな石灯籠を寄付したとの情報が広まったからであると考えられています。
このトレス海峡における採貝産業の中心地となったのが木曜島で、明治30年頃には同島の日本人渡航者の数は1,000人を越え、一時は全人口の60%を占めるまでに至りました。日本人たちは潜水技術の改良、漁場の開拓等において活躍し、白蝶貝採取事業を同地域の一大産業に発展させました。
しかし明治32年、イギリス連邦政府により移民制限法が設けられ、日本人は帰化しなければ船を所有することができなくなったほか、病気等の特殊な場合を除いて陸に上ることが禁止され海上での生活を強いられることとなりました。
このような過酷な条件の中、潜水病や海流による遭難等で木曜島だけで約700名の日本人が命を落としました。そのうち150名が串本町出身者であったとされており、木曜島に整備されている日本人墓地では現在162基の墓の身元が確認されています。


白蝶貝採取作業に使われたダイバースーツ

□友好都市提携の経緯
串本町からは渡航者の遺族の方々などが墓参のため定期的に木曜島を訪れていましたが、平成19年2月、在ケアンズ日本国総領事館を通じ、トレス市長から「両自治体の歴史的背景に基づき姉妹都市提携を行いたい。」との要請文書が串本町長に届けられました。串本町では平成19年10月に串本町長を団長とする墓参団を同市に派遣し、木曜島の日本人墓地など現地の視察を行いました。当地の先人たちがあえて過酷な環境に立ち向かった精神は現在の私たちが受け継ぐべきものであり、過去にあった絆を縁として新たな友好を開いていくことを目的として、平成23年12月にトレス市からナパウ・ペドロ・スティーブン市長を団長とする代表団が来日された際、「友好都市宣言」合意文書の調印式を執り行いました。


友好都市宣言合意文書調印式(2011年12月7日)


木曜島の日本人墓地


日本人墓地に建立されている慰霊塔

戻る