■ラムサール条約登録の町

□ラムサール条約とは?
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串本沿岸海域のサンゴ群落
(撮影:高橋徹氏)

ラムサール条約は、別名国際湿地条約とも言われる世界中の重要な湿地を保護するための国際条約です。1971年、イランのカスピ海湖畔の町ラムサールで開催された国際会議で採択されたことからその名が付けられました。

ラムサール条約は、特に水鳥にとって重要な湿地を保全することを目的としてつくられた条約ですが、水鳥だけでなく人間や多くの生物にとって欠かすことのできない生息環境でありながら容易に破壊されてしまう湿地を保全し、次世代に伝えていくことを提唱しており、現在世界中で144ヶ国が加入しています。

湿地というと、湖や湿原などが真っ先にイメージとして浮かぶかもしれませんが、この条約では、そういった場所だけでなく、水田やため池、河川、干潟、水深が6メートルを超えない海域などについても湿地(wetlands)と定義し、その保全・再生を呼びかけています。

□世界最北のサンゴの海
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串本は北緯33度30分という位置にあり、本来、海藻の茂る温帯の海に属します。しかし、南から暖かい水を運んでくる黒潮の働きによって串本の海は常に暖められ、南の海と同様のサンゴ群落が形成されています。世界で最も北にあるサンゴの海、それが紀伊半島の先端にある串本の海なのです。

また、串本の海は暖かい海と冷たい海の接するところにあるため、海の中に四季があります。夏から秋にかけての暖かいシーズンは沖縄やフィリピンなどとよく似たサンゴ中心の景観を見せますが、冬からは海藻が生い茂り、温帯的景観と熱帯的景観が混じる珍しい景観を見せます。このような環境は世界的に見ても大変珍しいものです。

この貴重な環境が高く評価され、平成17年11月8日、アフリカのウガンダで開催された締約国会議において、串本沿岸海域(錆浦海岸区域355ha、潮岬西岸区域205ha、通夜島北岸区域13.7ha)が国際的に重要な湿地、ラムサール条約登録湿地として認定されました。

□ラムサールの海を体験しよう
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「サンゴ」と言うと、多くの人がヤシの木が揺れる遠い南の島を思い浮かべることでしょう。しかし、よく潮の引いた日に串本の浜辺に立ち、膝くらいまで海の中に入ってみると、もう手の届くところにたくさんのサンゴが生えています。

また、一番近くにサンゴの海を感じられるのはやはりダイビング&スノーケリングです。町内には数多くのダイビングショップやスノーケリングを扱うショップがあります。

□賢明な利用(WISE USE)
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海中フォトコンテストより
(撮影:土居功一氏)

ラムサール条約は湿地を保全するために、人の立ち入りや狩猟を禁止したりといった新たな規制を設けるものではありません。私たちは磯で貝を獲ったり、魚を釣ったり、磯遊びをしたりと、様々な恵みを受けています。これらの活動は条約登録後も何ら規制されることはありません。

ラムサール条約が提唱しているのは、私たちが現在恩恵を受けている水辺の自然生態系を子孫に伝えられるように守りつつ、これを上手に利用するということなのです。海に抱かれた串本町には、海にまつわる様々な歴史・文化があり、漁業に観光にと海の恵みを活用した町づくりが行われてきました。このような恵みを未来の子どもたちが変わらず受け続けることができるよう豊かな海を大切に守っていくことが私たちの役目なのです。

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